川崎区「バーデンハウス」 銭湯の仲間達−−−

何処の銭湯でも常連さんというものは来られる時間帯が大体決まっています。

そして、職業や年齢に関わらず、気の合った者同士が集まります。
一風呂浴びた後に脱衣場やフロントで一日の出来事や、趣味の話に興じます。
そんな仲間同士が忘年会や新年会を行うようになり、店主である私も呼ばれるようになりました。

その忘年会の席で一人が「毎月お金を積み立てて旅行に行こう」と言い出しました。
皆、賛成となり1月から10月まで積み立てる事になりました。
お金は集合場所の店主である私が預かる事になりました。

スタートしてから5月迄、順調に積み立てていましたが、仲間の一人が病気で入院する事になりました。
皆でお見舞いに行って励ましたりしていましたが、残念な事に2ヶ月程で亡くなってしまいました。
私は旅行を中止しようと思いました。
そして、お葬式が済み落ち着いた頃に、奥さんに積立金を返しに行きました。
すると、奥さんから「生前、主人が旅行を楽しみにしていた」との事でした。
帰って、その事を皆に報告すると、「是非旅行に行こう」と言い出しました。

そして、満期の10月に鴨川へ行きました。
宴会の席では、グラスを1つ多めについで、故人を偲んで乾杯をしました。
その後、にぎやかな事が好きだった故人に因んで大いに盛り上がりました。

その宴会の席で一番年配の方がぽつりと「これなら死んでも寂しくないな」と
呟いたのがとても印象的でした。
家族、親戚、職場などとは全く違った人間関係でありながら、とても癒される思いです。



次回更新をお楽しみにお待ち下さい。

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